「給付金を使えば実質数万円で受講できる」という情報を見て気になっている人も多いのではないでしょうか。ただし、給付金は制度名や対象条件を混同すると、思っていたより自己負担が大きくなってしまうことがあります。この記事では、プログラミングスクールで使われることが多い給付金・補助制度を、制度名ごとに整理して解説します。
先に結論をまとめると、給付金には主に「専門実践教育訓練給付金」(厚生労働省・雇用保険加入者向け)と「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(経済産業省・在職者向け)の2種類があり、どちらも全員が対象になるわけではありません。それぞれ対象者の条件が異なるため、自分がどちらの対象になるかをまず確認する必要があります。
給付金・補助制度の違い
専門実践教育訓練給付金(厚生労働省)
雇用保険に一定期間加入している人を対象にした制度です。指定講座を修了すると、受講料の一部が段階的に給付されます。
- 受講修了時:受講料の50%
- 修了後1年以内に就職した場合:追加で20%
- 受講前後で賃金が5%以上上昇した場合:追加で10%
- 給付の上限は年間64万円、支給は6か月ごと
受給には「受講開始日までに通算2年以上(2回目以降は3年以上)雇用保険に加入していること」「在職中または離職後1年以内であること」などの条件があります。申請には受講前のキャリアコンサルティングも必要です。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)
在職中の人がリスキリングを通じて転職やキャリアアップを目指す場合に使える制度です。令和8年度末(2027年3月末)まで継続予定とされています。
- 講座修了時:受講費用の1/2相当額(上限40万円)
- 転職・1年継続就業時:受講費用の1/5相当額(上限16万円)
- 合計最大56万円
対象は企業に雇用されている在職者(正社員・契約社員・パート・アルバイトを含む)で、無職者やフリーランス、個人事業主は対象外です。転職支援による追加補助は、対象事業者経由での転職に限られます。
この2つの制度は対象者の条件がまったく異なります。専門実践教育訓練給付金は雇用保険の加入実績が条件になるのに対し、リスキリング支援事業は在職中であることが条件です。自分がどちらに当てはまるか、あるいはどちらにも当てはまらないかを、申し込み前に確認しておく必要があります。
給付金対象コースがあるスクール比較
| スクール名 | 対象コース | 給付金の種類(目安) | 自己負担額の目安 |
|---|---|---|---|
| デイトラ | Web制作コース | 専門実践教育訓練給付金 | 公式サイトで要確認(最大80%対象) |
| CodeCamp | エンジニア転職コース/Webデザイナー転職コース/Webサイト制作コース | 給付対象(最大70%) | コースにより異なる |
| テラキャン プログラミング(旧DMM WEBCAMP) | 専門技術コース/就業両立コースなど | 給付対象(最大80%) | 短期集中コースはキャンペーン時56,000円〜 |
| テックキャンプ | 短期集中/夜間・休日 | 専門実践教育訓練給付制度(最大80%・上限64万円) | 短期集中131,560円〜 |
| RUNTEQ | Web開発スタンダードコース(Python×AIコースは対象外) | 教育訓練給付金制度の認定講座(最大80%・最大給付額525,600円) | 転職向け131,400円〜 |
※上記はいずれも「最大◯%」の数字であり、実際の給付額は雇用保険の加入状況や条件によって変わります。「対象コースだから誰でも満額もらえる」わけではない点に注意してください。
各スクールの給付金対応コース
デイトラ
Web制作コースが専門実践教育訓練給付金の対象講座になっています。受講料は129,800円(税込)で、給付金の対象になるかどうかは雇用保険の加入状況によって変わるため、ハローワークでの確認が必要です。
CodeCamp
エンジニア転職コース、Webデザイナー転職コース、Webサイト制作コースの3コースが給付金の対象です。受講料の50%給付に加え、転職成功時にさらに20%が上乗せされ、最大70%のキャッシュバックになります。
テラキャン プログラミング(旧DMM WEBCAMP)
専門技術コースや就業両立コースなどが給付金の対象です。公式サイトでは最大80%のキャッシュバックと案内されていますが、掲載されている料金はキャンペーン価格を含むため、通常価格・給付金適用条件は必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
テックキャンプ
専門実践教育訓練給付制度の対象講座で、条件を満たすと受講料の最大80%(上限64万円)が給付されます。短期集中コースの場合、給付金適用後の自己負担額は131,560円です。
RUNTEQ
Web開発スタンダードコースのみが教育訓練給付金制度の認定講座です。Python×AIコースは対象外のため注意してください。給付金適用後の自己負担額は、転職向けコースで131,400円です。
給付金を利用するときの注意点
給付金は「最大80%オフ」のような数字だけで判断すると、実際には対象外だったということになりかねません。申し込み前に、次の点を必ず確認しましょう。
まず、自分が雇用保険加入者なのか在職者なのかによって、使える制度が変わります。次に、給付金適用後の価格だけを見て「通常価格」と誤解しないようにしましょう。給付金は受講後に支給されるケースが多く、受講開始時にはいったん通常価格を支払う必要がある場合もあります。最後に、対象コースかどうかはコースごとに異なるため、同じスクールでも給付対象外のコースがある点にも注意が必要です。
不明な点は、スクールの無料カウンセリングだけでなく、最寄りのハローワークでも確認できます。
まとめ
プログラミングスクールの給付金は、「専門実践教育訓練給付金」と「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の大きく2種類があり、対象者の条件が異なります。「最大80%」といった数字だけに注目せず、自分がどの制度の対象になるのか、対象コースはどれかを確認したうえで申し込みを検討しましょう。
