会議のたびに議事録を作るのが負担になっている人は多いのではないでしょうか。録音を聞き直して文字起こしをして、要点をまとめて、関係者に共有して……と、意外と時間がかかる作業です。最近は議事録AIツールを使えばこの作業をかなり自動化できますが、サービスの数が多く、何を基準に選べばいいのか迷いやすい分野でもあります。
この記事では、代表的な議事録AIツール5つを「Notta(Notta Brain)」「tl;dv」「Rimo Voice」「AI議事録取れる君」「Otolio(旧スマート書記)」の順に、料金・機能・日本語対応を中心に比較しました。結論から言うと、単純に文字起こしと要約ができればいいのか、それとも過去の会議データや資料をまとめて分析し、資料作成まで任せたいのかで、合うサービスは変わってきます。
- 議事録作成だけでなく、過去の会議データや資料の分析・資料作成までまとめて効率化したい人 → Notta(Notta Brain)
- Web会議中心で、Slack・CRMなど外部ツール連携を重視したい人 → tl;dv
- 日本語として自然に読める文字起こしにこだわりたい人 → Rimo Voice
- とにかく低コストでシンプルに議事録だけ自動化したい人 → AI議事録取れる君
- 大企業・自治体などでの導入実績を重視したい人 → Otolio(旧スマート書記)
まずは5サービスの違いをざっくり把握できるよう、比較表から見ていきましょう。
議事録AIツール5社の比較表
料金は記事執筆時点の情報です。プランや為替・改定により変動する場合があるため、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
| サービス名 | 料金目安 | タイプ | 日本語対応 | 主な機能 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|---|---|
| Notta(Notta Brain) | 無料〜、プレミアム1,980円/月〜 | 文字起こし+AIエージェント型 | ◎(国内運営・日本語最適化) | 文字起こし、自動要約、Notta Brainによる資料横断分析・レポート/スライド生成 | 議事録作成から資料作成まで一括で効率化したい人 |
| tl;dv | 無料〜、PRO 3,080円/月〜(年契約) | Web会議ボット型 | ○(文字起こしは対応、UIは英語) | Web会議の自動録画・文字起こし、AI要約、Slack/CRM連携 | Web会議中心でCRM連携を重視するチーム |
| Rimo Voice | 1,650円/月〜 | 文字起こし特化型 | ◎(日本語の整文に強み) | 高精度な日本語文字起こし、フィラー除去、AI要約 | 日本語として読みやすい議事録にこだわりたい人 |
| AI議事録取れる君 | 1,380円(税抜)/月〜 | 文字起こし特化型 | ◎(国内運営) | リアルタイム文字起こし、AI要約、Web会議連携、多言語翻訳 | 低コストでシンプルに使いたい人 |
| Otolio(旧スマート書記) | 月額10,000円〜(要問合せ) | 文字起こし+大規模導入向け | ◎(国内運営) | リアルタイム文字起こし、自動要約、専門用語辞書登録 | 大企業・自治体で導入実績を重視したい人 |
「文字起こし特化型」と「AIエージェント型」の違いを理解する
議事録AIツールを選ぶ前に、まず押さえておきたいのが「文字起こし・要約に特化したツール」と「会議後の分析や資料作成までカバーするAIエージェント型ツール」の違いです。
多くの議事録AIツールは、会議の音声をテキスト化し、AIで要点を要約するところまでが役割です。今回紹介するtl;dv、Rimo Voice、AI議事録取れる君、Otolioは基本的にこのタイプで、「その会議で何が話されたか」を正確に、早く記録することを得意としています。
一方でNottaは、文字起こし・要約機能に加えて「Notta Brain」というAIエージェント機能を備えています。Notta Brainは、Nottaに蓄積された過去の会議データに加え、アップロードしたPDFやWord、Excel、PowerPoint、画像などの資料もまとめて横断的に分析できる点が特徴です。「あの案件の決定事項、どの会議で話してたっけ」というように自然な言葉で質問すると、関連する発言や決定事項、ToDoなどを探し出してくれます。分析結果はテキストだけでなくスライドや画像としても出力できるため、報告資料作りの時間短縮にもつながります。
「その場の議事録さえ残ればいい」という人には文字起こし特化型でも十分ですが、会議が多く「あの話、どこで出たか思い出せない」ということが頻繁にある人や、議事録から報告資料・スライドまで一気に作りたい人には、Notta Brainのようなエージェント型の方が効果を実感しやすいでしょう。
主要5サービスの特徴
Notta(Notta Brain)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | Notta株式会社 |
| プラン | フリー/プレミアム/ビジネス/ビジネスPlus/エンタープライズ |
| 料金 | フリー0円、プレミアム1,980円/月(年払い14,220円/年)、ビジネス4,180円/月(年払い30,096円/年)、エンタープライズは要問合せ |
| 文字起こし時間 | フリー120分/月、プレミアム1,800分/月、ビジネス無制限 |
| Notta Brain | フリー1,000クレジット/月、プレミアム・ビジネス8,000クレジット/月(Chat Q&Aやスライド生成などに応じて消費) |
| 主な機能 | リアルタイム文字起こし、自動要約、話者識別、Notta Brainによる資料横断分析・レポート/スライド生成 |
| 対応 | Zoom・Teams・Google Meet連携、対面会議の録音にも対応 |
| 主な目的 | 議事録作成から資料作成・情報整理までまとめて効率化 |
Nottaは、Web会議はもちろん対面での打ち合わせの録音にも対応した文字起こしサービスです。運営元のNotta株式会社はセキュリティ・コンプライアンス水準を示す国際認証「SOC 2 Type I」を取得しており、入力した情報をAIモデルの学習に使わない設計になっている点も、社内の会議情報を扱ううえで安心材料になります。
このNottaの中で使えるのが、冒頭で紹介したAIエージェント機能「Notta Brain」です。過去の会議データや、アップロードした資料をまとめて分析し、自然な言葉での質問に答えてくれます。営業や制作進行など、似たような案件を同時に抱えていて「どっちの話だったか」を確認する機会が多い仕事では特に効果を発揮しやすい機能です。
筆者自身も、同じような概要の案件を複数抱えたときに「これはどちらの案件の話だったか」がわからなくなった経験をきっかけに、打ち合わせを録画してNottaに議事録作成を任せるようになりました。任せることで、打ち合わせ中は聞くこと・話すことに集中できるようになったのは実感しているメリットです。
注意点として、フリープランは文字起こしが月120分・1回3分までと制限が大きく、AI要約機能も使えません。Notta Brainのクレジットも、フリープランでは翌月に繰り越されず毎月失効します。文字起こしとNotta Brainの両方をしっかり活用するなら、プレミアム以上のプランを検討する必要があるでしょう。
議事録作成だけでなく、過去の会議記録や資料を横断的に検索・分析して、報告書やスライドの作成まで効率化したい人には候補になります。無料プランでもNotta Brainを含めて試せるため、まずは実際の使用感を確認してみるとよいでしょう。
tl;dv
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラン | 無料/PRO/ビジネス/Enterprise |
| 料金 | 無料、PRO 3,080円/月(年契約)・4,980円/月(月契約)、ビジネス4,980円/月(年契約)・6,980円/月(月契約)、Enterpriseは要問合せ |
| 主な機能 | Web会議の自動録画・文字起こし、AI要約、Slack・HubSpot・Salesforceなど外部連携、ビジネスプランは会議横断でのインサイト抽出 |
| 日本語対応 | 文字起こし・要約は日本語に対応。ただし操作画面(UI)は英語のみで、日本語表示はブラウザの自動翻訳機能に頼る形になる |
| 主な目的 | Web会議中心のチームでの議事録自動化と営業分析 |
tl;dvは、Zoom・Google Meet・Microsoft TeamsなどのWeb会議にボットとして参加し、自動で録画・文字起こし・要約を行うタイプのツールです。Slack、HubSpot、Salesforceといった外部ツールとの連携が豊富で、営業チームが商談内容をCRMに自動反映させるといった使い方に向いています。ビジネスプランでは、複数の会議を横断してインサイトを抽出する分析機能も用意されています。
無料プランでもAIメモは月10回まで利用できますが、録画データは3日でアーカイブされるなど、無料の範囲で使い続けるには制約があります。また、対面会議の録音には対応していないボット型のツールなので、社内会議や対面の打ち合わせが多い場合は使い所を選びます。加えて、現時点で操作画面が英語のみという点は、英語操作に慣れていない人にとってはややハードルになるかもしれません。
Web会議が中心の業務で、Slackや営業支援ツールとの連携を重視したいチームには候補になります。
Rimo Voice
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | Rimo LLC |
| プラン | 文字起こしプラン/プロプラン/チームプラン/法人プラン |
| 料金 | 文字起こしプラン1,650円/月、プロプラン4,950円/月、チームプラン6,600円/月、法人プランは要問合せ |
| 主な機能 | 高精度な日本語文字起こし、「えーと」などのフィラー除去による整文、AI要約、Rimo AIによる会議アシスタント機能 |
| 日本語対応 | 日本語の自然な文章としての読みやすさに強みを持つ |
| 主な目的 | 日本語として読みやすい議事録の作成 |
Rimo Voiceは、日本語の文字起こしに特化したサービスです。「えーと」「あのー」といったフィラーを自動で取り除いて整った文章にする機能が特徴で、そのまま読んでも違和感の少ない議事録に仕上がります。音声と文字起こしを同期して確認できる点や、URLでの共有・ダウンロードにも対応しています。
上位のプロプラン・チームプランでは、文字起こしが無制限になるほか、Rimo AIのクレジットを使ったAI要約や会議アシスタント機能が使えるようになります。一方で、最も安い文字起こしプランはデータの保管期間が30日間と短めなので、長期間の記録として残したい場合は上位プランを検討する必要があります。SSOやIP制限といった法人向けのセキュリティ機能は、法人プランでの対応です。
文字起こしの精度そのものよりも「読みやすい日本語の議事録」を重視したい人には候補になります。
AI議事録取れる君
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ALM |
| プラン | お試しプラン/EnterpriseP-10/EnterpriseP-100 |
| 料金 | お試しプラン1,380円(税抜)/月・月3時間、EnterpriseP-10 5,800円(税抜)/月・月10時間、EnterpriseP-100 47,000円(税抜)/月・月100時間(超過時は別途課金) |
| 主な機能 | リアルタイム文字起こし、AIによる自動要約、Zoom・Teams・Google Meet連携、90以上の言語から主要16言語への翻訳、話者識別 |
| 主な目的 | シンプルな文字起こし・要約機能を低コストで使う |
AI議事録取れる君は、文字起こしと要約という基本機能に絞ったシンプルなツールです。プランは利用時間に応じて3段階用意されており、個人・小規模利用向けの「お試しプラン」から、月100時間まで使える「EnterpriseP-100」まで、必要な収録時間に応じて選べます。Web会議ツールとの連携やスケジュール連携による自動化にも対応しており、最低限の機能を手頃な価格で使いたい場合に選びやすいラインナップです。
注意点は、継続的に無料で使えるプランがないことです。まずは無料トライアルで試したうえで、有料プランへ申し込む流れになります。また、契約時間を超えて利用すると追加料金が発生するため、会議の頻度や時間をある程度見積もったうえでプランを選ぶ必要があります。
高度な分析機能よりも、まず文字起こしと要約を低コストで自動化したい個人・小規模チームには候補になります。
Otolio(旧スマート書記)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | エピックベース株式会社 |
| サービス名 | 2025年12月1日に「スマート書記」から「Otolio(オトリオ)」へ名称変更 |
| 料金 | 月額ライセンス10,000円〜(要問合せ、初期費用無料) |
| 主な機能 | リアルタイム文字起こし、自動要約、専門用語・固有名詞の辞書登録によるカスタマイズ |
| 導入実績 | 累計7,000社以上(スマート書記時代を含む)。積水化学工業、コクヨ、日本特殊陶業などの大企業での導入事例あり |
| 主な目的 | 大企業・自治体など大規模組織での議事録作成の効率化 |
Otolioは、2018年から続く「スマート書記」というサービスが2025年12月にリブランディングしたもので、経営会議や人事面接、商談など幅広い会議シーンでの利用を想定したツールです。専門用語や固有名詞をあらかじめ辞書登録できるため、業界特有の言葉が多い会議でも文字起こしの精度を高めやすい点が特徴です。大企業や自治体での導入実績が豊富で、社内稟議を通しやすい実績重視の選び方をしたい場合には安心材料になります。
一方で、料金は個別見積もりが基本で、公式サイト上に具体的な金額表が公開されていません。他社と横並びで比較検討したい場合は、見積もりを取るまでに時間がかかる点は理解しておく必要があります。月額ライセンスの目安も10,000円〜とされており、個人や小規模チームが気軽に試すというより、法人としてまとまった予算を確保して導入するタイプのサービスです。
大企業・自治体などで、導入実績や専門用語対応を重視して選びたい人には候補になります。
議事録AIツールの選び方
比較する際は、次の順番で確認すると選びやすくなります。
まず、議事録作成だけで十分なのか、それとも過去の会議データや資料をまとめて分析し、報告資料の作成まで任せたいのかという利用目的をはっきりさせましょう。次に、会議がWeb会議中心なのか、対面での打ち合わせも多いのかを確認します。tl;dvのようなボット型はWeb会議向けで、対面会議も録音するならNottaやRimo Voiceのようなアプリ・レコーダー型が向いています。
そのうえで、料金体系が月額固定制か、Otolioのような個別見積もり制かを確認しておくと、予算感のミスマッチを防げます。最後に、無料プランや無料トライアルで実際に文字起こしの精度や使い勝手を試してから本契約に進むと安心です。
目的別おすすめ
- 議事録作成から資料・レポート作成まで一括で効率化したい人 → Notta(Notta Brain)
- Web会議中心でSlackやCRMとの連携を重視するチーム → tl;dv
- 日本語として自然に読める議事録にこだわりたい人 → Rimo Voice
- とにかく低コストでシンプルに文字起こし・要約を使いたい人 → AI議事録取れる君
- 大企業・自治体で導入実績や専門用語対応を重視したい人 → Otolio(旧スマート書記)
まとめ
議事録AIツールは、文字起こしと要約に特化したシンプルなタイプと、会議後の資料作成や情報検索までカバーするAIエージェント型のタイプに大きく分かれます。tl;dv、Rimo Voice、AI議事録取れる君、Otolioはそれぞれ得意分野が異なるものの、基本的には「その会議の記録を正確に残す」ことに強みがあります。
一方で、会議が多く「過去にどの会議で何を話したか」を探す手間や、議事録から報告資料を作る手間まで減らしたい人には、文字起こしに加えてNotta Brainという分析AIエージェントを備えたNottaが候補になります。無料プランからNotta Brainを含めて試せるため、まずは実際に使ってみて、自分の会議の使い方に合うかどうかを確認してみてください。
